町田市 金井の獅子舞

東京都町田市金井に、天狗と河童の登場する雨乞いの獅子舞行事があると聞き、2012年9月16日の金井八幡神社祭礼に伺った。金井八幡神社までは町田駅よりバスへ乗車し約16分。八幡神社前バス停で下車、徒歩で3分程だ。

そこだけポッカリと時間が止まったような空間が向かえてくれる。1時間前には到着したが、すでに境内は獅子舞を待つ人たちで賑わっていた。 注連縄で囲まれた土俵が作られており、その中で獅子舞が行われるようだった。

金井の獅子舞
獅子舞が舞われる土俵

昭和38年(1963)10月東京都町田市無形文化財芸第一号に指定された金井八幡神社の宝物で、江戸寛文年間より踊り継がれているという。

金井の獅子舞の由来「八幡神社宝物」

東京都町田市金井町獅子舞保存会「新編武蔵風土記稿」に「例祭七月二十八日獅子舞執行す」と、記載された獅子舞である。

江戸時代の寛文年間に金井村の名主神蔵太兵衛は、当村の平穏無事と五穀豊穣、治安維持の祈願と悪魔を祓い、また、旱魃に備えて慈雨を乞う意味から、龍頭の獅子を考案、八幡社に奉納し、金井独特の獅子舞を起こした。

金井の獅子舞
貼りだされていた例祭の告知

金井の獅子舞は雨乞いの獅子舞であり、「龍は天より降り水辺で遊び、黒雲を起こして天に舞い上がり、雨を降らす」、この龍のお守りをするのが河童であると言われている。この河童と雄獅子が二頭、雌獅子一頭とで名主の庭で一庭そして八幡社で一庭、舞が奉納される。

金井の獅子舞

物語は下記の通り。
『一頭の雌獅子を二頭の雄獅子が取り合いをする、その行司役を幣追い(河童)がする、そして最後には「里(金井村)に雨が降るようなので、と、みんな仲良く天に帰ってゆく。』
名主の庭での一庭は人生の教訓の舞い、八幡社での一庭は雨乞いと五穀豊穣、悪魔祓いの神事の舞いをあらわしている。

古老曰く、旱魃のとき八幡社と洗期取場(山伏山岳神道によると、前もって約束また定められた場所で、金井川と鶴見川の合流点)にしめ縄を張り、獅子のみ、またあるいは獅子を被り泳ぎ、周囲より懺悔懺悔六根清浄を繰り返し唱え水を掛け雨乞いをし、その後大山阿夫利神社に代参、青竹の筒に滝の水を戴き、途中休まず持ち帰り八幡社の松のの根元にこの水を掛け、また金井川と木倉川の水源に流し村民一同雨の降るのを祈り待った。(昭和の初め頃までこの行事が行われていた)

「金井の獅子舞」がでると必ず雨が降った」ものだ、と有難がられた。舞う時に足をT字型に踏むことが他の獅子舞と違い、形式も近郷近在では最も整った獅子舞といわれ、現在まで約340年程舞い続けられている。

平成二十二年九月十九日八幡神社例大祭

境内へ獅子や河童が入場してくる際に天狗が先導してくるのだが、これは上記の「山伏山岳神道」から来ているものなのだろうか。

天狗は行列の先導を終えると、あとは例祭を見守るのみだった。

獅子舞はかなり約1時間程度舞い続けられ、3匹の獅子の間を河童が行司として動き回る。水辺に遊ぶ獅子のお守り役であり、宝冠(雌獅子)の奪い合いの行司を司るっているとのことだ。舞の中でも河童はあくまでも行司であり、獅子の勝負を見極めるためにずっと獅子の方を向いており、正面の顔を見るのはなかなか難しかった。

舞が終わった後、河童役の方にお願いして、河童が身につけていた小道具を写真に取らせていただいた。上の写真では分かりにくいかもしれないが、河童は手に軍配、腰には煙管、たばこ入れ、サイコロ、陽物を下げている。

現在は9月の金井八幡神社大祭にて獅子舞が舞われており、祭礼以外でも町田市の薬師池公園にて公開練習が実施されているそうだ。また町田市内のイベントなどでも舞われる事があるとの事だが、町田市には三大獅子舞と言われ、今回の金井八幡神社の「金井獅子舞」の他に箭幹八幡宮の「矢部八幡宮獅子舞」、丸子神社の「丸山獅子舞」があるが、天狗や河童が登場するのは金井獅子舞だけなので、ご注意を。

ちなみに金井獅子舞は「金井獅子舞かすてら」という町田市銘菓にもなっている。

金井の獅子舞(東京都町田市)

町田駅より神奈川中央交通バス
(50、52、54系統)町田駅~鶴川駅
八幡神社前バス停下車 徒歩3分
祭神:応神天皇
鎮座地:東京都町田市金井町2686番地
金井の獅子舞公式ホームページ


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2012年9月訪問
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